鉛丹、光明丹、Red lead,Minium,Mineral Orange
天然鉱物
四三酸化鉛 Pb3O4 赤鉛
油との乾燥性を促進する特性を持つが、油彩の顔料としてはほとんど使われていない。毒性がある。
ギリシャ・ローマ時代、よく鉛の赤として器物の顔料として使われた。壁画、板絵にはあまり使われていない。中央アジア、中国では壁画に使ったらしい。
四三酸化鉛 Pb3O4 赤鉛
油との乾燥性を促進する特性を持つが、油彩の顔料としてはほとんど使われていない。毒性がある。
ギリシャ・ローマ時代、よく鉛の赤として器物の顔料として使われた。壁画、板絵にはあまり使われていない。中央アジア、中国では壁画に使ったらしい。
珪酸アルミニウムソーダと硫化ソーダ複塩 Na4Al3Si2O12
半貴石、ラピスラズリー瑠璃より得る(青色鉱石・・・天藍石、方解石、黄鉄鉱の混合物)。
天然ウルトラマリンは耐熱性、耐アルカリ性、酸に弱い。
大変高価な顔料であるため、人工的に化学的、物理的に同質の物を1828年に発明された。絵の具としては1854〜56年ほどより使われる。
製法上交雑物として遊離硫黄分を含む物がある。完全に除去されていれば、どの色とも混色可能であるが、クローム系、鉛系、銅系の絵の具との混色には注意を要する。
吸油量30%。良質のものは耐久力、被覆力が大きい。
透明性を持つ。乾燥はあまり速くない。
彩料として用いられ出したのは、アフガニスタンのバーミヤンにある石窟寺院の6世紀から7世紀の壁画あたりらしい。
ヨーロッパでは12,13世紀頃らしい。ビザンチンから18世紀頃まで(テンペラ、フレスコ壁画)アズライトとよくまちがえることがある。
現在は人工の物がよく使われるが天然のものも入手可能である。
塩基性炭酸銅 CuCO3・Cu(OH)2
天然の鉱物性で鮮やかな緑色顔料、岩群青とよく似ているが結晶水を大量に含んでいる。
現在は東洋で少しは使われているが、他ではほとんど用いられていないようである。
酸に弱い。アズライトと同じく、油性より水性的、テンペラの方が色の冴えがある。
1800年頃まで古くからヨーロッパ絵画でも多く使われていたが、人工の銅系顔料が発明されて変わってしまった。
三硫化砒素 As2S3 天然硫化物
天然の鉱石から得る黄色をしたヒ素の硫化物。レモンイエロー色調をしている。
毒性が強いため顔料としては見捨てられている。光、空気に安定し、酸に弱いが耐アルカリ性。
古い絵画では粗挽き粒子でよく用いられていた。ヨーロッパ絵画でもオルピメントの名で多くの画家のパレットにあったが、確かではない。
(大原美術館のグレコ作受胎告知の天使のコスチューム部分に使われているらしい・・・。)
19世紀キングスイエローの名で呼ばれていた。
塩基性炭酸銅 2CuCO3・Cu(OH)2、中国における孔雀石
鉱石の藍銅鉱より得る天然の青色顔料。
顔料とするには細かくしてしまうと色調が淡く着色力が弱くなるため、一般的には粗めに砕き用いている。(90〜100メッシュの中間位)
昔よりテンペラ画に最も多く用いられていた青で色の冴えを持つ。15世紀から17世紀中頃までよくヨーロッパ絵画にラピスラズリより多く使われていた。東洋の壁画にも多く使われている。