原料
- カイガラムシ(ラックムシ)の樹脂性分泌物
- インド、ビルマ、タイが原産地
特性
- 最良質のものは粒が大きい、別名シードラックという
- 融点・・・115度〜120度
- テレピン、ペトロール、エーテル、ベンゼン、アセトンには部分溶解
- アルコールに溶解
用途
- フィクサチーフ用の樹脂
- 画用のワニスとしては用いられていない
- 木材累のワニスとして
画像はWikipediaより
生臙脂(しょうえんじ)
ラック色素 ラック酸 C20H14O11
ラックカイガラムシの幼虫がだす樹脂状の分泌物
インド、ビルマ、極東地方に産するCroton ficus類の一部の木の葉に寄生する
成分、色味共にコチニールから採ったカーマイン色素に似る。この色素はややくすみがある赤色。
耐久性がカーマインよりややある。東洋、西洋で古くから染料として使われていた。
獣骨 C+Ca(PO4)2 炭素+灰分(燐酸石灰)
炭素Cは15%〜20%で着色力の小さい黒。燐酸石灰が赤みのある色味にしている。
脂肪分、膠質分を除去して焼成して作る。
吸油量90%。
被覆力はあるが着色力は小さい。
耐光性、アルカリ性。
乾きの遅い黒。
不透明色との混色はチョーキングを生じやすい。
透明色と混ぜるとその色味は不透明にする。
古代紫
エッチュウバイ類(軟体動物)の小さい血管、のうほうからの分泌物。
地中海沿岸、イギリス諸島を含む大西洋岸にいる。
ホネガイ、Murex brandaris, Purpura haemostomaを含む数種より取れる。
色味はローマ法王の正装の色。
インク、洋皮の染料、写本などに彩料として使われた。8世紀〜12世紀頃に使われていた。
イカ黒
烏賊墨(いかすみ)を用いて作られる。
甲イカの墨汁のうから分泌する黒、褐色味の分泌物
メラニン色素・・・窒素分を含有する複雑な有機化合物
古くは筆記用インク、18世紀頃ではペン画、水彩絵具として使われていた。
光りに弱く、退色しやすいが、水彩に用いて美しい色相を呈す。
現在でも水彩絵具として作っているメーカーがある。
油絵の具は人工配合で作られている。
ケルメス酸 C18H12O9
南ヨーロッパ各地に産するケルメスカシの上にいる昆虫(Coccus ilicius)の雌の身体を干した物から得る。(ボクトガ科)
コチニールに似ている。色味のさえが弱い。
古くはエジプト初期より使われていたが、後にラックレーキ(インド)、コチニールレーキ(メキシコ)が出てきてこのレーキは使われなくなった。最も古い天然染料である。
天然有機化合物系(染料)
天然動物色素
洋紅、コチニール
カーマイン酸 C22H20O13
アルミニウム塩、カルシウム塩(コチニール色素)
メキシコ、中南米に産する各種のサボテンに寄生するコカスカッチ(カイガラムシ)の昆虫、雌の体を乾かしたものから色素のコチニールを抽出して得る。
絵具にするには体質顔料に染め付けて作っている。
現在でもこの天然コチニールから作られた水彩、油絵具はあるメーカーであるらしいが、ほとんど人工化学合成のものである。(アリザリンレーキ、ローダミンレーキにより代用されて作られている。カーマインレーキ、クリムゾンレーキ)
天然のものは耐光性に弱い。褐色、褐色調に変化しやすい。特に水彩絵具の場合。油絵の具の場合割と光りにも安定しており、堅牢さがある。
Carmine Lake(Lague Carmine)
Crimson Lake(Lague Cramoisic)
オキサチン酸のマグネシウム塩、またはカルシウム塩 C19H16O11Mg・5H2O
古くベンガル地方のモンギールでマンゴの葉を食べた牛の尿から得ていた。
濃く鮮やかなオレンジ黄色味。耐光性、耐久性のあるものである。インドではペイント塗料、彩料として使われていた。
現在同色名のものは人工化学合成ヒドラジン系(アゾ系)で作られている。
動物性・・・茶赤味を持った黒
動物性炭素・・・象牙、象牙屑を焼いた黒
密閉した炉で空気を絶ち蒸し焼きして作る
原料
特性
原産
特性
用途
混合比
ニスがけした画面にさらに薄くかける保護表層皮膜の処方