カテゴリー
画用の油

さらした油・重合した油(スタンドオイル)

太陽にさらした油

特性

  • 綺麗に澄んだ透明性を持った油
  • 乾燥は早い
  • 生油と比べ光沢を持ち、耐久性に富む

重合した油(スタンドオイル)

特性

  • 乾きが遅い
  • 黄変、亀裂、分解を起こしにくい
  • 乾燥被膜は柔軟で、なめらかな耐久性をもち堅牢な油
  • 粘着性
  • 樹脂とのなじみが良くなる
  • 乳剤(エマルジョン)のメデュームとして適する
  • 使用の際、揮発油か生油で割る

揮発性油

植物性

針葉樹からとれる樹脂を蒸留したもので、多少であるが樹脂分を含む

鉱物性

石油、粘着性は全くなく画面上において跡を残さない。完全に揮発する。

  • 画用としての目的
  • 絵の具に流動性を与える
  • 絵の具の伸び、筆裁きを調整
  • 油、樹脂油の希釈剤
  • 彩色用法上の補助剤(保存修復のために)

注意点

揮発性油自体なんら体質を持ち得ていない

描画用に多量に用いた場合

  • 絵の具の固着力(定着力)を弱める
  • 艶を無くし、チョーキングをおこしやすい(脱脂状態)剥落する
カテゴリー
画用の油

卵(Egg)

  • 水分・・・51.5%
  • アルブミン酸(ビテリン)・・・15.0%
  • 油脂・・・22%
  • レシチン(乳化剤)・・・9.0%
  • 無機質・・・1.0%
  • その他・・・1.5%

  • 水分・・・84.8%
  • アルブミン酸(ビテリン)・・・12.0%
  • 油脂・・・0.2%
  • レシチン(乳化剤)・・・微量
  • 無機質・・・0.7%
  • その他・・・2.2%
カテゴリー
画用の油

荏の油、えの油(Perilla Oil)

原料:エゴマの種子(中国、インド、日本)

沃素価 180〜200

特性

  • 乾燥は早い
  • 乾燥皮膜に不規則な斑紋、汚点が生じやすい
  • 亜麻仁油以上に黄化が強い
  • 油彩画にはあまり適さない油
カテゴリー
画用の油

サフラワーオイル(Safflower oil)

ベニ花の種子(インド、山形)

沃素価 130〜147

特性

  • ポピーとよく似る
  • 重合した油
カテゴリー
画用の油

ワルナットオイル(Walnut Oil)

胡桃の核、北部イタリア

沃素価:132〜168

成分

  • リノール酸50%
  • リノレン酸20%
  • オレイン酸20%

特性

  • リンシードより乾きが遅い
  • 黄変、亀裂が生じにくい
  • 腐りやすい
  • 歴史的には、中世ルネサンスのイタリア絵画によく使われる
カテゴリー
画用の油

ポピーオイル(poppy oil)

原料:ケシの種子(黒ケシ)、北部フランス、スペイン、ドイツ、アジア

沃素価:131〜143

成分

  • リノール酸59〜65%
  • リノレン酸0〜少々
  • オレイン酸28〜29%

特性

  • リンシードに比べ乾きは遅い(リノール酸59〜65%、リノレン酸0〜少々、オレイン酸28〜29%)
  • 乾燥皮膜が柔らかい(リノキシンが少ないので)
  • 黄色みは少ない
  • さらっとした質
カテゴリー
画用の油

リンシードオイル(linseed oil)

原料:亜麻の種子、オランダ、バルト海地方のが良質。

沃素価:170〜180(190)

成分

  • リノール酸25〜59%
  • リノレン酸35〜45%
  • オレイン酸15〜20%

特性

  • リノレン酸が他の油より割合が多く含まれている。この酸が亜麻仁油の乾燥力、堅牢な皮膜形成をする。ただし黄色味がある。
  • 堅牢な皮膜形成(最も優れる)
  • 黄変しやすい(色調の変化を生じやすい)
  • 特に透明色の寒色系のものは透明性が多少にぶる(ビリジャン)
  • 他の油より乾燥後リノキシンが多量にでき、絵具を大変耐久性ある硬い被膜にする。
  • とろっとした油
カテゴリー
画用の油

人工加工乾性油

原料

生油より

 

目的

  • 油の乾燥促進
  • 油の濃縮作用
  • 油の本来持っている特性を弱めたり、欠点を補う為のもの

 

処理方法

  • 直火で加熱する方法
  • 熱湯中で加熱する方法
  • 太陽の光によって脱色、濃縮させる方法
  • 空気の流通を絶って加熱する方法
  • 乾燥剤を添加処理する方法

oil-boiled

加熱処理した油の特性

  • 極めて強い粘着性を持つ
  • エマイユのごとき光沢を持つ油
  • 乾燥が早い

 

太陽に晒した油

sun-breachedoil
太陽に晒した油の特性

  • 綺麗に澄んだ透明性を持った油
  • 乾燥は早い
  • 生油と比べて光沢を持ち、耐久性に富む

 

 

重合した油の特性

  • 沃素が低下しているために乾きは遅くなる
  • 貴化、亀裂、分解を起こしにくい油
  • 乾燥皮膜は柔軟で滑らかな耐久性を持ち堅牢な油となる
  • 粘着性を持った油
  • 樹脂とのなじみが良くなる
  • 乳剤(エマルジョン)のメデュームとして適している(乾性油と生油で割る)

 

加熱して乾燥剤を加えた油の特性(Boiled Oil, Drying Oil)

  • 生油に比べ乾燥は著しく早い
  • 光沢を持った油
  • 表面皮膜が早く出来やすい
  • 亀裂・ちりめんじわを作りやすい

原液を多量に用いない(薄めて使うのが好ましい)

 

油と揮発油の混合の度合い

下層(描き初め)・・・油1:揮発油3

中層・・・・・・・・・油1:揮発油1

上層・・・・・・・・・油3:揮発油1

 

 

揮発製油(Essential Oil Sprits)

分類

  • 植物性・・・通常は針葉樹のような樹脂分のある植物を蒸留して採取した物。多少の樹脂分を含む
  • 鉱物性・・・石油から採れる。粘着性は無く画面上に跡を残さない。完全に揮発する

 

画用としての目的

  • 絵の具に流動性を与える
  • 絵の具の伸び、筆裁きを調節するため
  • 油、樹脂油の希釈剤
  • 樹脂の溶剤
  • 彩色用法上の補助剤(保存修復のため)

 

注意点

  • 揮発性油自体は何ら体質を持ち得ていない
  • 描画用に多量に用いた場合絵の具の固着力を弱める。また、艶を無くしチョーキングを起こしやすくなる。脱脂状態になり剥落を起こしやすい。