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テルベルト(Terre Verte, Terre Vert)

主成分は硅酸鉄を含む粘土質の一種(天然緑土)

Mg(Fe)O・CaO・2SiO+(Mg・Fe)O(Al・Fe)2O3・3Sio2

無機鉱物

水酸化鉄・水酸化マグネシウム・ケイ酸アルミニウム・カリ

良質のものとしてイタリアのVerona(ベローナ)近くモンテバルト地方の物が良いと言われている。

Celadonite, Terre de Verone

色味は中間調の黄緑色〜淡緑灰色。

良質の物はサルビアの葉の色に近い灰緑色。

耐光性、空、酸、アルカリにも安定している。

隠蔽力が弱く透明色。

古典よりヨーロッパ絵画に多く用いられている。

テンペラ画、フレスコ画などに。

今日でも天然の物は手に入るが、多くは人工配合によって作られたものが多い。

透明酸化クローム(ビリジアン)・土性赤色顔料との配合が多い。

天然の物はテンペラ、壁画では下層などにも用いられている。

油彩ではグラシーとして。

 

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サップグリーン(Sap Green)

クロウメモドキ属の木(ラムナスRamnus)の熟した槳果(しょうか)からの天然有機染料。

光りに大変弱く、褪色しやすい。

現在水彩絵具には天然のものがある。

油絵具は人工有機合成ナフタリン系(コールタール)のニトロソナフトロールで作られている。

 

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アイリスグリーン(Iris Green)

アイリスの花の汁から得る染料。

ミョウバンと混ぜると綺麗な緑色がよく発色する。

14世紀〜15世紀頃に手写本の彩料として使われていた。

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ヴィリディアン,Viridian,Guignet’s green,Vert Emeraude

人工無機顔料,酸化物素(焼成化合)系

含水酸化クロム Cr2O3・2H2O

1792年に元素を発見したが、1838年に作り出され、1859年に絵の具として工業的に作りだされた。

耐酸・アルカリ、耐光性だが、熱には変化する。

明るく深い透明性を持つ。どの色との混色も可能。乾燥性も早い。

彩色上、厚くも薄くも展色できる体質を持っている。

仏名でベールテムロードといい、英訳名がエメラルドグリーンとなるが、仏名で言うところのベールベロネーズ(Vert Veronese)がエメラルドグリーンを指す。

エメラルドグリーンが不安定なため、ヴィリディアンを用いてこの色味の効果を作り出す例として以下に示す。

下層に、少量のシルバーホワイト、ロウシェンナ(ネープルスイエロー色調)をおき、完全乾燥後、ヴィリディアンとわずかなシルバーホワイトで薄く展色する。

または、ヴィリディアンとストロンシャンイエローとの混色。

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マラカイトグリーン,岩緑青,Malachite,Mountain Green

岩緑青、Malachite,Mountain Green

天然鉱物

塩基性炭酸銅 CuCO3・Cu(OH)2

天然の鉱物性で鮮やかな緑色顔料、岩群青とよく似ているが結晶水を大量に含んでいる。

現在は東洋で少しは使われているが、他ではほとんど用いられていないようである。

酸に弱い。アズライトと同じく、油性より水性的、テンペラの方が色の冴えがある。

1800年頃まで古くからヨーロッパ絵画でも多く使われていたが、人工の銅系顔料が発明されて変わってしまった。

 

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ベルデグリ,緑青,Verdigris

人工の二塩基性醋酸銅 Cu(C2H3O2)2・2Cu(OH)2

(天然の岩緑青・・・マラカイトグリーンは塩基性の炭酸銅)

古く古代より人工的に作り、用いていたらしいが、今日では作られていない。

古代の製法

銅を発酵したブドウの皮の上にかざしたり、または、酢を入れた樽に銅を封じ込めて作ったらしい。

中世の製法

金属銅片の上に醋酸ガスを作用させて作る粗製の醋酸銅を一度溶解させ、再び醋酸で再結晶させて顔料としたらしい。

醋酸銅(ベルデグリ、銅、銅塩)は天然樹脂質の液体に反応しやすく樹脂酸銅を作る。この溶液は緑色に染まり、透明な銅の緑として、また、乾燥させ、ガム・卵・エマルジョンメデュームなどとして、15世紀、16世紀中頃用いていたらしいと云われている。

Van Eyck Greenと称してこの時期フランドル、ドイツ、北イタリア地方で用いていたという暖かみのある銅系の青緑色は樹脂酸銅に天然の黄色有機染料(サフラン、ガンボージ、イエローレーキ等)を添加して作られたらしい。

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タルキースグリーン,Turkys Green

人工の炭酸銅

エメラルドグリーンの持つ色相の擬和物。色味はエメラルドグリーンと比べると鈍い。

混色での変色はエメラルドグリーンほど敏感に生じない。有毒である。

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シェーレグリーン,Scheeles Green

酸性亜砒酸銅 CuHAsO3

1778年スウェーデンのカルル・ウィルヘルムシェーレ氏が発明した。

製造当初は黄緑色であるが、時間と友に退色を生じてくる。ごくわずかな透明感をもつ。硫化物系顔料、硫化ガスに触れると黒変する。有毒。

二級品顔料のため、後に品質の良いエメラルドグリーンが1814年に発明され無くなっていった。

 

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コバルトグリーン,Cobalt Green,Rinman’s Green,Zinc Green,Vert de Cobalt

亜鉛酸コバルト CoO・ZnO,CoO-ZnO-MgO

酸化コバルトと酸化亜鉛からの成分。(硫酸コバルト1、亜鉛華5を水で錬り団子にし、赤熟するとできる)

1780年リンマン氏によって製法発明。1850年頃、亜鉛華とともに使われた。

市販されている中には、人工配合で作られているものもある。・・・ジンク白、ヴィリディアン、コバルトブルー等と。

ペールとディープとがある。黄緑色味〜青緑色味の色相がある。

隠蔽力は大きくなく半透明を持つ。耐光・熱・アルカリ。濃酸類には弱い。

吸油量60〜65%

高価である。他の色との混色可能。安定した耐久性のある絵具。

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クロームグリーン,Chrome Green,Cinnabar Green,Vert Anglais

フェロシアン化第二鉄+クロム酸鉛 Fe4[Fe(CN)6]3 + PbCrO4

人工配合顔料でクロムイエローにプルシャンブルー、さらに体質顔料を加え混ぜて作ったもの。

19世紀中頃より油絵の具として使われ出した。混合の比率により濃淡の色相を作る。

隠蔽力、着色力、体質感大。光りに弱く色味が沈み、青く黒変しやすい。酸・アルカリに弱い。

クロームイエロー自体耐久力に欠け、硫化物系で黒変しやすい。これは、クロームイエローとプルシャンブルーの両者の欠点を持ち合わせている。